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トピックス

20年度

第10回企業見学会 株式会社村上製作所 殿

2008−10−30

 恒例の企業見学会も10回目を迎えました。今回は「送風機」と「産業機械」のエキスパート「株式会社村上製作所」様を見学させていただきました。
 今回お訪ねした同社は、高槻市の中心街に近く、外環状線沿いの交通至便の場所で、名神高速道路を利用し神戸から約1時間で到着しました。
 まず、社員の方々のお出迎えを受け、本社ビルの最上階のレセプションルームに通されました。
 取締役香西部長様から歓迎のご挨拶と同社の概要・沿革等々のご説明を承りました。
 今年で67期を迎え従来からの「送風機事業」「産業機事業」に加え「ロボットビジネス」に力を注いでいるとのことです。また、今回の見学会をご縁に翌檜会会員との今後の互恵関係をますます深めていきたいという意向でした。
 引き続き、大木課長様及び大森主任様からパワーポイントにより各事業の詳細なご説明をお聴きしました。

『ご説明の主な内容』

まず最初に 「COMPANY PROFILE」 として次の3つの言葉のご説明をお聴きしました。
 ・VISION(展望)
  未来へと繋がる技術と価値の創造。
 ・CONCEPT(概念)
  高品質の製品づくりと高い信頼づくり。
 ・DECLARE(宣言)
  新しい製品の開発で人と企業の未来を構築します。
続いて各事業部の具体的内容をお聴きしました。

送風機事業部 
専売公社(現JT)向け送風機生産が企業のスタート。現在まで、常に「高効率」「低騒音」「低価格」をモットーとして事業展開してきた。JT向け以外に「ごみ焼却設備(都市型焼却炉)」用誘引送風機の受注に力を注いできたが、ほぼ一巡してしまったことに併せ環境問題及び市町村合併に依る予算減少の煽りを受け現在は受注量が減少している。
それに代わり現在は、品質の高さを評価され「原子力発電所」向け及び「鉄鋼設備集塵機」用送風機が主流になりつつある。容量的には、14,000m3/min〜15,300m3/minの大型機種も製造納入している。

*

産業機械事業部
・たばこ製品用機械
(1)調湿機−たばこは「きざみ」が命であり、葉たばこに適度の温度と水分を与え、程良い「柔らかさ」にする装置。
(2)配合サイロ−分離した「除骨葉」を何層にも積層化し一時貯蔵/品質を均一にする装置。
(3)多室型乾燥機−水分を含んだ「除骨葉」を乾燥し、貯蔵/熟成に適した水分に調整、腐敗変質を防ぎ品質向上を図る装置。
(4)小型段ボール箱詰機−連続生産されたカートンを、自動集積/段積みして段ボールに詰め込む装置。 
(5)ブラックス検査装置−印刷されたパッケージシートを1枚づつ画像処理装置で検査、良品/不良品の仕分けも行う。
近年、PL法に依る規制を含めパッケージの重要性が高まっている。

・フレックス・ピッカー
くも型ROBOTとCCDカメラに依る画像処理を駆使した超高速仕分けシステム
クロワッサン(パン)仕分け装置とソーセージ仕分け装置をDVDで拝見しました。
大きさの違うパン(ソーセージ)が非常な高速で数種類に仕分けされていく映像は見学者全員目を見張るものでした。

・ロボット・パレタイザー
パレタイジングROBOTと商品搬送コンベア・パレット搬送コンベアを組み合わせたシステム
JT納入のたばこ段ボール積載パレットシステムをDVDで拝見しました。 
非常にコンパクトで省スペース設計だと思いました。

・鋳物取出しシステム
世界初の鋳物取り出しシステム
取出しROBOT 2台(170kg可搬)/分離ROBOT 2台(60kg可搬)とハンガーコンベアを組み合わせたシステムをDVDで拝見しました。
環境の良くないところにも対応できるROBOTに注目しました。

他にも次のような装置のご説明を受けました。
・WJヘルメット・トリミング装置 
・CARRIER A’SSY組立装置
・オートローダー


一通りご説明をお聴きし、工場へ案内されました。

 『工場見学』


 ゴミ処理施設や製鉄設備・発電設備をはじめ、あらゆる産業に使用されている送風機の工場では、「ファンのバランス調整」が非常に重要な作業のひとつだとご説明を受けました。また大型の送風機の試験のときは、騒音により近隣に迷惑を掛けないよう対策して実施されるそうです。


 全般的に「5S」がいきとどいていると感じましたが、送風機の工場より産業機械の工場のほうが、よりいっそう「5S」が徹底しているように思えました。

 最後に、案内されたのは、同社が現在最も力を入れられている「ROBOTの検証テスト場」です。
 写真の赤いロボットは、汎用ハンドリングROBOTで、初めてROBOTを納入されるお客先様に「操作説明」や「実際にROBOTを触って頂く」には打って付けのシステムではないでしょうか。

 下の写真の白い枠の中で、くもの足を連想させるロボットは、同社ご自慢の「フレックス・ピッカー」ROBOTです。
 ワークの「カラーデザイン」されている箱を、コンベアでトラバースさせながらCCDカメラで箱の「表裏」「方向」を識別し、超高速でハンドリング後、お隣のコンベアに整列させていくデモを拝見しました。
 会社説明の時に拝見した製品説明ビデオより、よりいっそうの高速性能に、再度の驚きをおぼえました。



 工場見学の後、下記のように活発な質疑応答、意見交換がなされました。


 『主な質疑応答』

 

Q

A

 ABB製ROBOTは、ライセンス生産或いはOEM供給のどちらですか。
 また、受注前活動のデモ・テストは有料ですか。有料の場合の費用処理はどのようにされているのか。

 ROBOTについては、ABB社からの購入です。村上製作所の製作範囲は、ハンド部/周辺装置を含めたシステム作りです。
 ROBOTビジネスでは、基本的に無料で対応していますが、その為にコストの掛からない営業部隊が対応します。
 一方、JTからのテスト要請については、難解な要素テストが殆どなので「有料」での対応としています。(検証機製作が伴い且つボリュームが大きい為)

 JTの工場は、何工場あるのでしょうか。
 また、関空をはじめ国内で購入したたばこと海外のDFで購入したたばこと味が 異なるように思うが実体はどうなのか。また、海外工場はどうなっているのか。
 たばこの販売量は減少していると思うが、ピーク時を100とした場合現状はどれ位なのか。

 大型工場は、九州・関西・浜松・東海・東京技術センター(MTC)・北関東・郡山・プラス 原料工場 3工場・「きざみでない」たばこ工場 2工場の計14工場です。
 また、味の違いについては「ブレンダー」が国内と海外では異なるため少し味は違うと思います。また、海外工場はJTI(JT International)があり、セーラム・キャビンなどはJTが買収したものです。
 販売量については、殆ど変化は無く「男性喫煙者減」を「女性喫煙者増」で補っています。昔は、都道府県に1工場「専売公社」の工場がありましたが、生産状況の変化(多工場/短時間生産から少工場/長時間自動生産に移行)により生産量は減少していません。
 ただし、「TASPO」制度移行と人口減少で今後どうなるか懸念をしています。

 事業部毎の売上構成と従業員構成をお教え願いたい。
 一品一様で生産されているが「技術の伝承」はどのようにされているのか。
 また、平均年齢は何歳でしょうか。

 送風機・産業機械・東京支店に分かれているが、売上総額は36億円である。
 従業員構成は、産業機械事業部を1とすれば、送風機事業部は0.8掛け、東京支店は技術/製造は持っていない為8名で活動している。
 また、技術の伝承については、例えばROBOTのティーチングマンを育てるのに約5年掛かっている。懸命に教育しても途中で退職してしまう者も有り、現在ティーチングマンは2名である。
 新入社員を採用しても、「計算は出来る」が「仕事全体の要領を呑み込める」人材を育てるのは大変であり苦労している。結局のところ育成出来ず、適材適所の観点で「配置転換」を行う場合が多い。
 現在の若者は、裕福に育っている為、その若者に「プロ意識」を植え付け「愛社精神を持つ」まで教育するのは、長時間を要している。短時間で勝負出来ない。
 また、平均年齢は37歳・ここ2〜3年で17名の新人を採用してきたが、今後も2〜3名/年を採用していく予定である。

 今日、工場見学の際に感じたのですが、作業をされている方が少ないように思えましたが、操業度に応じた人員配置はどのようにされていますか。

 繁盛期は数社の協力会社及び一人外注の方を使ってバランスを取っているのが実情である。産業機械だけをみれば5月連休前・8月連休前がピークであり、1〜2月は仕事量が少なく正社員のみで作業を行っている。ピーク時は正社員1名が20 〜30名の協力会社員を使っているケースもある。
 反対に、送風機は官庁向けの為2〜3月がピークを迎え、場合によっては産業機械部隊からの応援を受けている。
 固定費分散を目標に、数年掛けまた、試行錯誤しながら「平準化」を図って行きたいと考えています。

 協力会社及び一人外注を使われているとお聞きしたが「生産工程管理」「進捗度管理」「品質管理」はどのようにされているのか。

 正社員/外注の混成であるが、正社員を中心として「小ミーティング」を行っている。また、「製作図面を共有化」し製作完了した個所にマーキングすることにより進捗度/工程管理を行っている。
 部品/図面の不良に依る製作部品不良etcについては、「チェックシート」にて管理を行い、修正状況に依って作業工程をタイムリーに変更している。

 ROBOTをはじめ海外品を採用されているが、機械装置の海外品と国内品の違いを教えて頂きたい。

 一言で言えば「海外品は掛け算」「日本品は足し算」の考え方で作っている。
 装置の動作/制御で言えば、海外は各アクチュエーターが一斉に動作し、タイムラグについては、最後に帳尻合わせをする考え方。一方、日本は一つ一つの動作を確認後に次の動作を開始するという考え方である。
 また、装置のフレーム製作では、海外は無垢の丸棒から削り出して作っていくのに対し、日本は鋼材を溶接にて接合して作り上げていくという風に全く違った考え方である。所謂、コンセプトの違いがある。

 フレックス・ピッカーの価格は幾らなのか。

 ROBOT・PC・コンベア(含、据付/調整工事)等1式で 約15百万円です。近年は、単品売りより、「ハンド」「架台(テーブル)」etcを含め「システム販売」がメインです。

 技術の伝承のところで、教育は5年掛かるがそれまでに退職する人もあるとの説明があったが、社員を10年・20年と続けさせる為にどのように取り組まれているのか。モチベーションを上げる為にどのように取り組まれているのか。

 新入社員は、子どもと同じであり「最初は言葉も分からない」言葉が分かるようになれば「反論」してくる。その時に、「頭ごなしに叱る」のでは無く、先ず「聞いてやる」ことから始めている。また「信頼感」を持ってやりながら「仲間意識」「チームワーク」を大切にしている。
 独り立ちさせるのは大変、最低でも3〜4年掛かるが、独り立ちするまでは家族(保護者)が必要。会社=家庭/上司・部下の関係=親子の関係である。
 退職するのは、殆どが入社5年未満である。入社数年は、投資期間と理解している。
 途中で退職されたら「一からのやり直しになる」為困る。
 産業機械部は、機械装置の現地据付/調整工事が付きものであり、その「現地代理人」を若手に任せることで成長させている。現地でお客様と会社代表として対応させることにより「一皮剥ける」が如く成長して帰ってくる。

 

同社の玄関前で記念撮影



 記念撮影の後、高槻駅近くの飲食店で懇親会が開かれました。
 株式会社村上製作所 香西事業部長のご挨拶に引き続き、安藤会長の乾杯のご発声でスタート。
 今回も、株式会社村上製作所殿から香西事業部長のほか、本日熱弁を揮って頂いた大木課長代理にもご参加頂き、仕事の話・趣味の話・苦労話などを披露しながら大いに親睦を図ることが出来ました。
 いつものことながら、結構盛り上がりみせるなか、最後に見好副会長の閉会のご挨拶・一本締めで無事終了。一路JR神戸駅まで、往路同様、復路も渋滞無く一時間で戻ることが出来、解散となりました。

 最後になりましたが香西事業部長様はじめ本社・工場の皆々様には、大変お世話になりました。有難うございます。
 ますますのご発展を祈念申し上げます。


 優れていると思った点  ――見学者の 『参考メモ』 から――

プレゼン覇気が良かった

営業品目としてたばこ機械というオンリーワン製品を持っておられる。

JTグループ入りしていることが、社員の誇りに結びついている様に思えた。

工場内での検証(設計者が製品の全てを理解できる)産業機械

外注メーカーの活用(負荷調整で活用)

ロボットデモシステム(製品として理解しやすい)

一品一様(オーダーメード)に対応されている。

社歴が永く社風が良いと思われる。(家族的なところがある)

社員の平均年齢が若い(37歳)と思う。

JTへの機械は品質を非常に大事にされている。

顧客の要望に対してスピーディーに対応されている点。

製品作りにおいて、品質面を第一にされている点。

作業場内の5Sが行われている。

広い作業スペースを利用されている。

工場内としては静かである。(意外です)

食品、タバコなどを取り扱いされているので、衛生面・品質面に関して意識が高く、その他の製品に対しても物作りの意識が高いレベルに達している様に思われる。

ピッカーのビジョンシステムが特に素晴らしいと思いました。

丈夫で長持ちする製品づくりの姿勢が終始徹底していること。

一品一様のオーダーメードを売りにしていること。

守秘義務面で公開できないものを含めての品種が多いこと。

送風機の羽根についての他、いくら見ていても飽きない技術の高さを感じるところがあった。
(じっと見ていて次の流れに遅れた)

工場説明のお二人共、熱意ある飾り気のないお話しに引き込まれた。



(株)村上製作所さんの主要製品


熱風乾燥式水分計


ごみ焼却炉用誘引通風機








(株)村上製作所さんのHPです。
 http://www.mrkm-mfg.co.jp/


ロボットパレタイザー




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第9回企業見学会 音羽電機工業株式会社 殿

2008−5−26

 9回目となる企業見学会、今回は雷対策のオンリーワン企業「音羽電機工業株式会社」様にお願いし、実現しました。
 「音羽電機工業株式会社」様は、雷被害防止のため、建物から電気設備までをトータルに、診断 → 対策施工 → メンテナンスまで対応し、雷対策ソリューションを実現していただける雷対策のトップメーカーです。

 今回お訪ねした同社の神戸工場は、三田市のテクノパーク内にあり、舞鶴若狭自動車道の三田西ICから1〜2分で、神戸から1時間もかからない内に到着しました。

 まず、社員の方々のお出迎えを受け、製品ショールーム横のレセプションルームにて、司会の川崎様から歓迎のご挨拶と本日のプログラムをお聴きし、引き続き吉田社長から、会社の概要・沿革・特長等々のご説明を承りました。


『ご説明の主な内容』

 創業(1946年)からの10年間は苦労の連続であった。 中国電力(株)が開発した紙アレスタの製造権を受託・量産技術を確立してから「高圧商品」を、北海道から沖縄までの各電力会社へ販売するようになった。現在は、大手電機メーカーと競争しているが「全国シェア」60%を確保している。

 電柱に避雷器を取り付けることからスタートしたが、引き続き「国鉄山陽本線」(当時)対応で電路用避雷器の受注に成功し、大手電機メーカーと50%ずつのシェアを誇っていた。

 電柱用/電車用は高圧/直流製品であるが、低圧商品として当時の電電公社に電話交換機用避雷器も開発/販売を行い、以前多発していた落雷による事故防止に寄与した。

 15年ぐらい前から電気料金の自由化が始まり、電力会社の設備投資費大幅減で落雷保護対策工事が激減し、電柱用避雷の販売高が激減した。

 10年前に日本避雷針工業を傘下におさめ、日本唯一の「雷専門」メーカーとなった。

 現在はIT時代であり、落雷による停電事故発生を起こさないとの使命を担っている。また、家電品もデジタル化し落雷により故障が多発しているが、これは落雷により電源線や電話線の他、家電品のアース線を通して侵入してくる。(アース線からの誘導雷)日本国内には、アース線に関する規格が確立されていないのが問題であり、テレビ/洗濯機/電子レンジ/ウォシュレットなどの故障原因の多くが誘導雷によるものと考えられる。

 飛行機にも結構落雷するが、現在、国産旅客機メーカーと雷に強い飛行機の雷試験を受託した。

 2005年にセラミック(酸化亜鉛素子)部門を分社化(株式会社セラオン)し、アメリカ・ヨーロッパのライバル会社にも素子を販売する世界屈指のセラミックの量産と生産技術を持つ工場となり、国際マーケットに対してコスト競争力が付いてきた。

 21世紀になり、多様化するIT・ネットワーク社会に対応する製品も迅速に開発販売し、ますますいい会社となるよう努力・進行中である。



 工場見学は、2班に分かれ、案内していただきました。

『工場およびショールーム見学』

 神戸工場は避雷器の心臓部である、酸化亜鉛素子の量産がメインです。

 まず酸化亜鉛を粉末にし、それを円柱状に成型する。成型品を乾燥させ、次に焼成炉では高温と、じっくり時間をかけて焼き上げるということです。さらに表面研磨、電極を取り付ける等々の工程を経てと完成です。完成品は全数検査を実施後出荷です。

 工場はほとんどが自動化されており、どこに作業員の方が居られるのかなという印象でした。特に焼成炉の工程では、工場内が高温になるため無人化が進んでいるそうです。
 また、工場はTPM(Total Productive Maintenance)活動を実践されており、設備の不具合を全数抽出し、グラフ化したり赤や青のエフが工場内の掲示板に、幾重にも貼り付けられていました。成果は上がっているということです。掲示板の上のほうには 「 ピカッと光る工場へ、やるぞTPM 」 と標語のポスターが光っていました。

 工場見学の最後は、初めて体験する「インパルス試験(雷発生試験)」。
 実際の雷ほど大きいものではないが、発生の瞬間は身体が自然にビク付く可也の衝撃を受けた。ここでは、避雷器がどの程度までの雷に耐えうるかを「温度/光/湿度」の条件を変えつつ実験をしている。これだけの試験/研究設備が整っているメーカーは国内には無く、ドイツ、フランスのメーカーと肩を並べている。同社の「雷」「製品品質」へのこだわりがここでも拝見出来ました。




 ショールームは工場の上にあり、同社の各製品の展示がメインと思いますが、製品のみならず、雷にまつわる全国各地の地酒や饅頭、お米、装飾品、お守り等々々々にはびっくりしました。それから雷に関する本はほとんど収集されており、大きな書棚いっぱいに並んでいました。

 ショールームでは、吉田社長から色々ご説明をを受けました。中でも毎年募集されている「雷写真工コンテスト」の入賞作品がズラーーーと展示されていましたが、特に目を引いたのは、成田空港上空を旋回している旅客機に落雷した瞬間を撮られたパネルです。撮影への「努力」と「幸運」の賜物でしょうか?毎年多数の応募があり、グランプリ賞金がなんと100万円だそうです。カメラを持つ一人として一度応募してみたい気分になりました。



 ショールームで吉田社長にマンツーマンによる色々な質問、ご説明をいただいたのですが、さらに下記のような質疑応答、意見交換がなされました。

 『主な質疑応答』

 

Q

A

 避雷器に直撃雷をうけた場合、避雷器は壊れますか?

 直撃雷をうけた場合は破壊するでしょう。
 しかし99%は誘導雷で、避雷器は壊れることはなく設備を保護し、繰返し使用できます。

 新人教育の方法について

 メーカーなので物作りを体験することが大事。工場実習で製造のプロセスと社会人としての自覚を教育します。
 中でも技術力アップを目的に「試験機(試験装置)」については、デジタル式の機器を使用せず、あえてアナログ式の機器を使わせている。理由としてデジタル式については1台の試験機で5項目程度の計測/試験が可能であり理屈無し(技術力無し)に使用出来るというメリットがあるが、これでは技術力アップが望めないので「基礎技術力」が必要なアナログ式の試験機を揃えている。日常それを使用することで「技術力アップ教育」をおこなっています。

 酸化亜鉛素子の製造量は?
 最近、原材料が高騰しているが対策は?

 本工場では年間400万、全社で最大700万個作っており、世界でも屈指の生産量です。
 メインの酸化亜鉛の他にも数種類のレアメタルを使っています。
 全般に材料が高騰していますが、対策としては、更なる自動化の推進と、膨大な電気を消費する、焼成炉の省エネによる電気料金の削減を検討しています。

 

 最後に今年4月から事務局長の移動があり、新事務局長となった菱井商事・大慈部長から本日お世話になりました音羽電機さんに謝辞を申し上げ、玄関前で記念撮影の後、音羽電機さんを後にしました。



 工場見学を終え新三田駅前の飲食店での懇親会となりました。今回も主役の音羽電機工業(株)さんからも参加していただきました。
 まず始めに音羽電機工業株式会社 執行役員 西日本営業部部長 下嶋 康弘様のご挨拶をいただき、引き続き、安藤会長の乾杯のご発声でスタートしました。
 続いて今年4月から事務局の人事異動がありましたので、新旧の事務局長から、挨拶をさせていただきました。
 音羽電機工業(株)さんからご参加いただいた、御三方は精力的に各テーブルを回られ、会員とのグットコミニュケーションを執っていただき、大いに親睦を図ることが出来ました。

 先ほどの質疑応答の場で聞けなかった話や、ゴルフ、ハイキング等屋外で雷に遭った場合の対処方法の話等々。いつものことながら、結構盛り上がりをみせるなか、定刻になり、最後に見好副会長の閉会のご挨拶を頂き無事終了。
 一路JR神戸駅まで、往路同様、復路も渋滞なく予定どおり戻ることが出来、解散となりました。

 最後になりましたが吉田社長はじめ神戸工場、西日本営業部の皆様には、大変お世話になりました。有難うございます。
 ますますのご発展を祈念申し上げます。


 優れていると思った点  ――見学者の 『参考メモ』 から――

無人化が進んでいる。

4Sが徹底されている。

初めての業種であり毎年経験しているもので避けられない仕事である。(写真展示等)

仕事内容とこだわりが企業イメージに走っており従業員の宝になっている。

雷にこだわりを持って会社の存在をアピールしている。

TPMを開始されたこと。

雷についてミュージアムも含め広く認識を広めることに努力されている。

設備(試験設備・生産設備)に多大の投資をされている。

現場にてTPMに取り組まれている。

オンリーワン企業としての経営を意識されている。

原料の混練場で粉塵が出ていないのに驚きました。

工場内の整理/整頓が大変良く出来ていると思いました。

自動化され少人数で管理されたライン。

TPM活動

社員の方々の対応と身だしなみが良い。

商品の開発や市場化への取組みが良かった。

TPM活動に積極的に取り組まれていた。

自動化(無人化)が進んでいる。

工場内が綺麗

雷について「こだわり」がある。

開発力がある。

酸化亜鉛素子製造工場は自製の設備機械でよく自動化されている。

キーワード “雷” をコアに特徴ある事業展開をされている。

世の中の変化にうまく追随しながら新規商品、新規顧客の開拓に努められており、その姿勢には我々が学ぶべきところ大。



音羽電機工業(株)さんの主要製品

アレスタの数々


耐雷トランス
低圧電源用
制御電源回路用
通信回線用
電話回線用
監視カメラ用
一般家庭用
その他


高圧配電用
電車線路用
雷センサー

音羽電機工業(株)さんのHPです。
http://www.otowadenki.co.jp




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平成20年度定例総会

2008−1−30

 平成20年1月30日(水)に平成20年度定例総会が開催されました。
 例年のとおり、司会兼議長の事務局長の高橋(菱井商事取締役)から開会の宣言があり、まず安藤会長(フジマサ機工社長)からご挨拶を賜りました。
 ご挨拶の中で、ご自身の体験から、健康についてのお話を披露されました。
 不整脈治療のため、知人の医者の紹介で、某病院でカテーテルを使っての治療を受けたが、5ヵ月後に再発したので、別の病院を紹介され再度、治療を受けたところ今度は上手くいった。
 先の医者は、「難しくて出来なかったので、このまま少し様子を見よう」と言って放置されたが、別の医者の手に掛かると、いとも簡単に処置された。
 この折の体験から、「やはり、医者、特に外科医は職人。名医にやってもらわねばならない。最初の医者は藪医者(あてにならない医者)だったのか」と感じた次第。
 「まずは、普段から医者にかからないようにすること、そして、かかるときは医者を選ぶべき」との教訓を得た、という趣旨のご挨拶を頂戴しました。



 以下プログラムに則り下記のとおり議事進行しました。

 ・19年度に実施された活動報告 
 ・19年度の収支決算報告
 ・19年度の収支決算報告の監査結果報告
 ・20年度の活動計画案発表
 ・20年度の収支予算案審議

 上記議案は各担当役員、会計監査役及び事務局から報告発表され、
満場の拍手により全て可決承認されました。



今回の特別プログラムは、三菱東京UFJ銀行の木田祥太郎様を講師にお迎えし「2008年度の関西経済の見通しについて」をテーマに、講演していただきました。

■:米国経済の減速→輸出の鈍化→年前半ごろまでは低成長。ただし、年半ば頃から、米国経済持ち直し→輸出の回復

■:設備投資は、製造業の大規模投資などを中心に底堅い。加えて、年半ば頃から、07年度の建築基準法改正による住宅投資などの下押しに対する反動増が見込まれる→全体的な景気の回復感は、秋以降の見込み。
■:年度ベースでみれば、成長の中心となるのは引き続き設備投資と輸出。特に、設備投資が底堅いことから、08年度関西の成長率は全国を小幅に上回る見通し。

     

 会員の非常に興味深いテーマでもあり、また、木田様はテンポ良く明快に話され、約40分の講演は瞬く間に過ぎてしましました。

 また、今回の講演の記念に、推薦図書として
 『日中2000年の不理解 ―― 異なる文化「基層」を探る』王 敏著(朝日新書)
が会より出席者に配布されました。
 主旨は、今日の関西経済を支えているものの一つが、輸出産業であり、特に中国との貿易は無視出来ないものがある。そこで、数多くある中国紹介本の中で、新聞記事やテレビ番組、詩等の身近な題材を採り上げユニークな切り口で日中の感じ方の違いなどを分析・紹介している同書を推薦する、というもの。



 最後のプログラムとして懇親会が行われました。
 まず最初に見好副会長(菱井商事社長)から、挨拶がありました。

 『先程、関西経済の見通しにつき講演をしていただき、今年前半は景況感が若干低下しそうだとの説明があったが、今年の取引先の賀詞交換会は、どこもあい変わらず盛況。特に鉄鋼関係は、「今年も是非値上げをしたい!」との強気の発言があった。 気を引き締めたい。
 翌檜会活動も7年目、見学会も回を重ねること8回。初期の目標(新製品の共同開発)からは、いまだ程遠いものがあるが、まずは出来ることからと始めた見学会も会員相互の枠から一歩踏み出し、始めた優良中小企業の見学も昨年度は2回開催させて頂いた。東海バネ工業殿及び昭和電機殿 共になかなか皆さん立派な考え方で経営を行っておられ、我々も大いに参考になったというのが実感ではなかったかなと思われる。確かに年明け以降、景況感にも変化が出てきたようであるが、皆で知恵を出し合い、今年も元気に乗り切ってゆきたいものである。本日は、短時間ではありますが、お互い懇親をますます深めて頂きたい。』

 という趣旨の挨拶を頂戴しました。

 次に、安藤会長のご発声で全員 「乾杯!」

  しばらく歓談の後、 時間の都合により、講演会の席上で出来なかった質疑応答は、「北京オリンピックや上海万博後の中国経済はどうなるか?」 「今話題になっているサブプライムローンの影響や、それに対する三菱東京UFJ銀行さんの対応は?」等々・・・・・。 また、特別ゲストとしてご出席いただいた同銀行の今野次長様にも、個別に活発な質問や、ビジネスの話に発展するような有意義な懇談等いろいろあった様子です。
 それから、初参加されました高田工業協業組合の山本副理事長様の挨拶を兼ねた自己紹介をして頂きました。

 賑やかな歓談は尽きることがありませんが、定刻を過ぎたところで、今年度も菱井商事:白石取締役の音頭により中締めさせて頂き無事解散となりました。


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